“陸路国境越え”
今回は、”チベットからカトマンズ”の陸路国境越え方法を紹介!
チベットのラサから約6日ほど要して南下を続け、漸くたどり着いた国境の街:吉隆。
ただ、約9時間かけて荒れ果てた道を駆け抜ける過酷な旅のスタート地点でもありました。
今回は、情報量の少ないチベットからカトマンズへの国境越え方法を時間軸に沿って解説していきます。
目次【本記事の内容】
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- 1.吉隆口岸への道のり
- 2.徒歩で国境越え
- 3.ネパール側でのビザ申請
- 4.ドライバー探し
- 5.カトマンズへ地獄のドライブ
✓吉隆口岸までの道のり
国境の街:吉隆。偶にネパールで「中国のどこから入った?」と尋ねられる時があるが、その際はKEYRUNG(キュロン)と言えば通じます。
吉隆の街紹介はこちらにて行なっている為、事前に読んでおいてください。
9:00 am ホテルを出発!
今後長らくインターネットが使用不可となる為、ホテルにて返信を済ませておきましょう。
雪山を車で駆け上がっていきます。
9:30 am 第一検問所到着!
車から下車してパスポートとガイドが持つ通行許可証を公安局に提示して完了です。
再度車を走らせて次の検問所へ向かいます。
10:00 am 第二検問所到着!
第一検問所と比較すると、簡素な作りの検問所。
こちらでも同様に、車から下車してパスポートとガイドが持つ通行許可証を公安局に提示して完了です。
超監視社会である中国から脱出する準備が漸く整いました。
✓徒歩で国境越え
10:30 am 吉隆口岸到着!
吉隆の街から2つの検問所を通過し、漸く中国側のイミグレに到着。
国境通過を待つ貨物車が列を成していました。
周囲には、商店の様なものもありますが、あともう少しで超監視社会から出られる喜びが勝り、寄らずに出国手続き所へ直行しました。

我々一行は建物の中に入ると、上写真のように、閑散とした出国手続き場に向かった。
写真は厳粛な監視下だった為撮影できず、粛々とパスポートを提示して「吉隆」のスタンプを押してもらい、ネパールへ入国を果たした。
10:55 ネパールに入国
通過した瞬間、グループメンバー皆歓喜!!!
漸く超監視社会から脱出したことで、顔から全身から喜びを表現していました笑
国境にかかる橋を徒歩で渡り、中華人民共和国から正式に出国できました。
ネパール軍が待つテリトリーに到着した時の安堵感は表現できないほど嬉しかったです。
グループの仲間も同様で、嬉しさから自然と笑みがこぼれていました。
国境越えの手続き自体は、口岸到着から出国まで大体20分前後で終了します。
私自身中国から隣国への国境越えは、おそらくキルギスタンへ陸路国境越えした以来だったので、久々の高揚感でした。
♦中国ウイグル〜キルギスタン 陸路国境越え全貌
✓ドライバー探し
ネパール側イミグレには軍隊と税関職員が十人ほどいます。
幸運にもカトマンズへ帰宅するご主人と遭遇。人数五人で合計16,000ルピー(16,000円)でカトマンズへ乗せて行ってくれることとなりました。
五人なので一人3,000円ほど。相場が分かりませんが、値切って不快にさせてドライバーがトチ狂って死ぬのも嫌なので承諾。
ドライバー探しが終了したら、ネパールビザ発券へと向かいます。
✓ネパール側でのビザ申請
こちらでは、ドライバー探しと並行して行なったビザ申請に至る過程を説明していきます。
1. ネパール側イミグレで先ずは登記表に入国したことを通知
パスポートを係りの方に提示するのみ。
終了後1回目の荷物検査があります。バックパックの中を徹底的に調べられるので相当手間がかかる作業でした。
チベットですらなかった持ち物検査だったので、ネパールの厳しいチェックには驚きましたが、理由を後から知ると妙に納得。
2. ビザ申請場にて手続き
上写真一番左手にあるパソコンにてパスポートの登録と顔写真の登録を済ませます。
パソコンでの登録自体には金銭は発生しません。
登録後、登録完了を証明するレシートを受け取ります。
3. Arrival の列に並び、レシートを税関職員に提示

若干時間を要するが、現地にて直接申請可能。
料金体系は、15日間の観光ビザで25米ドル。人民元での支払いも可能で250元でビザ申請できます。
オンライン事前申請に関しては、申請過程でビザ発行場所指定欄に吉隆(KEYRUNG)がない為、申請不可でした。
試しに、2015年に地震で封鎖された樟木口岸 (ネパール名:Khasa)は場所指定欄に存在する為、Khasaで事前申請したが、吉隆では案の定受付不可だった為、現地申請に切り替え。
<オンラインでのビザ申請方法>
こちらのサイトから申請。
詳しい書き方は、こちらのブログが参考になります。
自宅住所は、“Thamel”と記載することを知っておけば大丈夫。
4. ビザ取得完了!
ようやくネパールでの旅が始まります。
車に戻りいよいよ出発です。
✓ チベットからカトマンズ ドライブ
11:00 吉隆口岸から出発!
塗装されていない地面むき出しの道路を、塗装済み道路に至るまで約3〜4時間走行することになります。
11:10 一つ目の検問所
入念に取り調べを受けます。
私のカバンの中、或いは車に積んでいたバックパックまでも中身をほじくり返され入念にチェックされます。
11:30 二つ目の検問所
ここでは軽い検査で済み、カバンを中身まで入念にチェックされることはありませんでした。
ここで明らかになった厳しいチェックの理由として、中国人商売人が大量に金を密輸しているそうで、チベットから来る観光客をターゲットに金密輸防止線を張っているとのこと。
我々のグループには中国人観光客はいなかった為、すんなり通してくれた。
かつてないほどの不安定な道を突き進んでいきます。
周囲は絶壁の大自然。
未開発の大自然の中をものすごい勢いで通過していきます。
ドライバーのテクニックによって、命運が決まると言っても過言ではない死の危険を伴う道のり。
一歩間違えば、水没、又は崖から転落してあの世行きです。
あまりにも荒れた道のりで振動が激しい為、私の首が取れそうな程揺れていたらしい。
心配になった仲間が飛行機で使うネックピローを貸してくれ、首の安全は保たれた。
山の中には時々街も見えて来る。
そこそこ集落の数も多い。
チベットの時とは異なり、街中の文字が読めない不安は多少あった。
道の途中に滝が現れたり、巨大な岩が道を塞いでいたり、池になっていた道を強引に突破したり…まさに大冒険。ドライバーと一緒に巨石をどかしたり道中めちゃくちゃでした。
運転手によると、ネパールの道路の約半分が荒れ果てた未整備の道路らしい。
現在中国資本の力を借りて、集落地から徐々にインフラ整備が行われている。
個人的主観だが、ネパール滞在中、中国とネパールの関係は比較的良好に感じた。
12:34 3つ目の検問所
ダムの横にある検問所。
3回目の検問が最後です。この後は、チェックポイントの様な場所で運転手が下車して申告するのみで、私たち旅行客は何もする必要はなかった。
ここでは、ネパール軍の車内検査が入りますが、荷物検査はありません。
羊の大群が進路妨害をして来ることは頻繁にあります。
クラクションで追い払いながら荒れた道を突き進む。
13:00 昼食休憩
のどかな田舎町での昼食。
店の前には立派な4階建てのアパートが建つ。
ネパールは米が主食である為、かなりの量の米が店内には備蓄されていた。
伝統的なネパール食。お値段200ルピー(200円ほど)。
青菜炒め、きゅうり、カレー風味の炒め物、激辛香辛料等様々なおかずとご飯を混ぜ合わせて食べるスタイル。
店側はお代わりをかなりの量用意してくれ、空腹を満たすことができた。
昼食が終わった後も荒れ果てた道路を突き進んでいく。
旅行バスや、地方在住者用のバスと頻繁にすれ違う為、なかなか前に進まない。
ハプニング発生!大型車が道路の途中で身動きが取れなくなり、進行不能に。
この場所で約1時間待ちぼうけを食らうことになる。
のんびり雄大な景色の写真を撮りつつ、車外販売のおばちゃんから購入した超酸っぱいみかんを食べて道路が復帰するのを待つ。
酸っぱい仕草をしたらおばちゃんが腹抱えて笑っていた為、間違いなく確信犯(怒)
1時間後ようやく正常に動き出し、一行カトマンズへ引き続き向かう。
チベットの服装のまま来た為、ネパールが相当暑く感じた。
車内もあったかくなり、心地の良い車内環境が私を夢の世界へ。
18:00 カトマンズに到着
朝チベット吉隆を出発して約9時間。
目を覚ますといつの間にかカトマンズ近郊を走行していた。
首がもげそうになるほどの強い揺れを5時間ほど耐え凌ぎ、漸くカトマンズに到着。
カトマンズの第一印象は、とにかく混沌としている印象。
電線を無作為に絡み合い、車と車の間をオートバイが止めどなく通過していく。
そして、凄まじい排気ガス。
口を開けているだけで、口の中がジャリジャリするほど、空気中にチリが滞留しているのが感じるほどである。
私含めて仲間たちも長旅でかなり疲れていた。
とはいえ、南アジア最初の一カ国ということで個人的にかなりワクワクしていた。
この夜、チベットからの仲間たちと乾杯し、無事超監視国家から脱出できたことを祝った。
ただ、私の財布はカトマンズのどこかへ消えていったのだった。
今回はここまで!
次回からいよいよ本格的にネパール編スタート!
カトマンズやポタラ観光のノウハウやカトマンズで財布を無くした時の対処法。
ネパールの航空会社に乗ってみた感想等、内容盛り沢山で綴っていきます。
では、また次回!再見!!!
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